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zoom RSS 東野圭吾さんの「さまよう刃(やいば)」を読み終える

<<   作成日時 : 2008/07/05 10:58   >>

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東野圭吾さんのさまよう刃

東野圭吾さんの「さまよう刃(やいば)」を読み終えました。
いや〜胸が痛くなりながら読み終えました。
自分は感情移入して小説を読むタイプなんですけど、感情移入を通り越して感情的に読んでしまいました…。

娘をレイプ&薬物で少年グループに殺された父:長峰重樹が、少年グループに復讐する姿に共感し、「こんなクズのような餓鬼は、死んでしまったほうがいい!」と思った自分がいます。

「手紙」は、犯罪者家族も社会的制裁を受けるべきと言う東野圭吾のメッセージ
「さまよう刃」は、少年法は軽すぎ、しかも法は人間の感情を理解せず踏みにじってしまう、周辺社会の責任、大人の怠慢、社会とは何か?と広い範囲のメッセージが自分に迫ってくる感じです。(東野圭吾さんのファンサイト/御託をもうひとつに「さまよう刃」に関したインタビューが掲載されています。さまよう刃レビュー インタビューその1 インタビューその2)



これ以降は、ネタバレなのでご注意を…



少年グループの描き方が本当に憤りを通り越すような描写…現代の少年犯罪によくある少年の犯罪の認識不足、罪の涙ではなくて保身による涙、反省しない親…という感じで捜査する刑事にまで「長峰にぶっ殺されりゃいいと思ってる。長峰が捕まらないことを祈ってる。」と言わしめるクズで完全に長峰重樹に感情移入しゅちゃいます。

しかも捜査にあたる刑事達、実際の少年達の極悪さ、したたかさを目の当たりにしながらも少年達を重刑を処すことが出来ず、被害者遺族の無念さを噛み締めた苦渋の姿も描き出されてますます長峰重樹の復讐に共感してしまう自分。

長峰が、元凶スガノカイジを探す途中に丹沢和佳子と出会う訳だけど、何気に和佳子の存在って中途半端な感じもするんですよ…^^; ポジション的に長峰の心を浄化するというか、長峰の復讐を思い止まらせる立場だと思うんですけど、あのラスト・シーンを見ちゃうと、長峰に感情移入している自分にとっては、あれが良かったのか悪かったのか…。でもこのエンディングは、単にエンターテイメントではくてメッセージ色が強いことを表してるんですよね。

エンディングは賛否両論あると思うけど、長峰が復讐達成直前に射殺されてしまう訳ですが…う〜ん、やるせない気持ちで一杯になりました。「今、おまえの仇をとってやるからな。おまえを苦しめ、楽しくなるはずだったおまえの人生を壊し、おまえの命を奪った奴を、お父さんがこの手で葬ってやる。本当はもっとひどいやりかたで殺してやりたいが、お父さんにはこれしか思いつかなかったのだよ、ごめんな。こいつを殺したたら、お父さんもお前のところへいくよ。あの世で会えたら、今度こそ二人で楽しく暮らそう。もう二度とおまえを一人きりにはしないぞ。もう二度とおまえに怖い目を見させたりしないぞ。」と猟銃をスガノカイジ照準を合わすが、和佳子の制止の声で一瞬撃つのが遅れて射殺されちゃう長峰…元凶:スガノカイジは少年法の元で裁かれるのみ…。

長峰にスガノカイジの情報を密告し続けた刑事も退職してしまい…何が正しい結末か?何が幸福な結末か?正義とは何か?と答えなき答え(?)へと導いていくので、さらにやるせない気持ちになります…。最後に別の新しい殺人事件が起こって、「ガキが犯人でないことを祈ってくれ」の言葉に現在の正義を守るはずの社会システムをほころびを感じさせます。読み終わった後、消化しきれない自分がいるのも確か…。

「殺人の門」ほどダーク・フォースにまみれたストーリーじゃなかったので読みきれましたけど、せめて「天空の蜂」のようなエンディングであって欲しかったです…^^; さまよう刃は、誰にでも持っているのを実感です。


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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
なんか最近こういった事件とか多いから、残念ながら身近な話になってますね。ただ、私は人の人生終わらせといて、のうのうと生きてるというのは納得できない人ですが、復習ではなく(死刑にできないなら)キッチリ法で一生繋いでおいて、なおかつ強制労働にして欲しいと思います。過激な考え…なんですかね、こういうの。
yuntan
2008/07/06 01:40
やっぱり未成年でも凶悪なものは厳罰に処すべきだと自分は思います。更正のためとか、性善説前提の少年法は、現在の未成年の凶悪犯罪に対応できてないのも確かです。自分は死刑廃止は反対と思っています。なので自分は、yuntanさんの考えは過激な考えと思いません。
page
2008/07/06 08:20
読み応えのありそうな作品ですね…。
これは読んでみたいかも…けど、自分も小説読んでヘコむのは苦手なんですよね…w 東野圭吾さんの「秘密」のラストが辛くて何日か上の空だった経験があるのでこういう作品は読むのに更に躊躇してしまいます…w
saji
2008/07/07 21:55
小説でヘコむと結構心の中に残りますよね…^^;東野圭吾の人の心の闇の描写が秀逸すぎてダイレクトにきますよね…読んでる方が耐えられなくなってきますw 最近また初期の東野圭吾作品を読みたくなりました…だってピュアな登場人物多いし…w
page
2008/07/08 07:21
江戸時代には復讐は条件付で合法でした。
誰でも分かる話ですが、その時代に戻すわけにはいきません。

そうなれば・・・・この少年を殺す側も小説に書かれている通り、強姦殺人を犯している殺人鬼と同じ心理を体験してしまう。
大衆が仇討ちを合法化したら・・・結果として社会的嬲り殺しを合法化してるのと同じで・・・それをよしとするなら、社会的強姦はなぜいけないのかと滅茶苦茶になってしまう・・・・・・

この本読み終えてクリントン元大統領が来日した時
「秩序はどうしても守りぬかなければならない・・・しかしながら、生まれてきた以上誰にでも(どんな馬鹿者にも)生きる権利があるのです。これを両立させるとなるとこんなに難しい事はない」と。

あまりにも理不尽な事(もちろんこの長峰さんのような事はありませんがが私にはありませんが)
ある事があって・・・ある人に「・・・残念ながら、究極的には許し難い事ですが・・・あくまでも究極的にはですよ・・・・悪くないと言わざるを得ないのです」と言われた事がありました。
作者はそこまで突っ込んでいる気がしました。

ある意味では松本清張を抜いているとこの作家に感服しています

それにしても・・少年法はなんとかすべきです!
Z
2010/05/05 23:36
Zさん

この作品の問題定義は、ほんと考えさせられます。あくまでも性善説・少年の未来を前提に作られた少年法は、自分も改正すべきだと思います。

2000年以降の東野作品は、メッセージ性が強いのも多く、色々考えさせられます。
page
2010/05/06 07:18
事実は映画や小説より奇なり、東野圭吾の原作を映像化した『さまよう刃』を鑑賞しての感想です。数十年前に女子高校生コンクリート埋め事件が起きましたが、あの事件の少年たちも女子高校生を拉致して陵辱と暴行を繰り返して結局死に至らせましたが、彼らの目的は殺人ではなく、輪姦目的で誤って死に至らしめたので、法律的には傷害致死になり、未成年と言うこともあって法律で守られました。その後に法律改正が何度かなされ、このような犯罪者は少年であっても、成人と同じように裁判で判決を受けるようになりました。無期懲役または五年以上の懲役で、少年院ではなく刑務所に収監されるようになったのです。東野圭吾の原作を映像化した作品に『手紙』がありました。この作品での彼の冷静で優しい視線は犯罪加害者家族が受ける社会的制裁の峻烈さでした。そして今回の『さまよう刃』では原作が上梓された年代での軽過ぎた少年法を鋭く抉っています。

主人公の長峰重樹は一人娘を彼らの欲望成就のために玩ばれ、死に至らしめられ遺体を放棄されます。ハリウッド映画であれば父親が彼らを処刑していく復讐譚のストーリー展開になると思いますが、この映画の結末は違います。ジャン・ピエール・メルビル監督のフランス映画『サムライ』の主人公の殺し屋のように、銃弾を込めていないライフル銃で、主犯格の少年を追い詰め、殺意を全身に込めた状態で、包囲された警察官の一人によって射殺されるのです。エンディングにカタルシスはありませんが、長峰重樹は自分自身が射殺されることによって、15歳の少女以外にも多くの少女たちを毒牙にかけた卑劣漢を少年法で守る法律を揺るがそうと判断したのでしょう。長野県菅平周辺の冬の映像は長峰重樹の心情を投影していて見事です。
小説と映画
2011/04/16 17:11
小説と映画さん

メッセージ性ある東野作品って、ズシっと心に響くモノと考えさせられる何かを持ち合わせている作品ですよね。
page
2011/04/17 11:13
先程読み終えました。気持ちがあまりにも収まらないので検索したところ、こちらに辿り着きコメしております。
読み始めから相当な感情移入をしてしまい、それが最後まで続いたのですが…、 あまりに無情な終わり方に思わず本を叩き付けそうになりました。
長峰にそれだけ感情移入をしていました。
少年法に常に反感がありました。
それだけに感情移入している自分の気持ちも晴らしてくれる最後を強く望んでいました。
残念の一言です。
作者が届けたかったメッセージを自分が理解出来そうにはありません。
もう、東野さんの本は買わないつもりです。
残念
2011/07/25 18:29
残念さん

自分も感情移入して読むタイプなので、お気持ち分かります。この作品の他に「手紙」という作品もありますが、メッセージ性の強い作品(今回であれば少年法の是非)では、結構非情な結末だったりするんですよね…^^; 単なるエンターテインメント作品であれば、主人公の思いは遂げられるとは思いますが…。
「トキオ」あたりはラストも良いし結構ウルウル系なんで、次読む機会があれば♪
page
2011/07/30 09:23

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