東野圭吾さんの「禁断の魔術」を読み終える

東野圭吾 禁断の魔術

東野圭吾さんの文庫本「禁断の魔術」を読み終えました。(文春文庫)

週末に長時間電車に乗る機会があり、その行き帰りに2日かけて読んだのですが、読み終わった時の最初の感想は「なぜ文庫本の帯に 2015年ベストセラー第1位 (文庫部門) シリーズ最高のガリレオって書いちゃったんだろう…。」でした。あの文言は、読む前に非常に読み手を期待させ、この作品に対する評価のハードルをかなり高くしてしまうので、ミステリー作品以上のミスリードかも。最高と言い切るからには、" 容疑者Xの献身 " レベルの作品を期待してしまいます。まあ~読み手のガリレオシリーズに対する思いよりも、売り上げ重視といった印象が残る帯なんですよ。

さて作品の自体は、何気に淡白な展開というか、もっと読み手の心を揺さぶるよう構成や展開に出来たと思いますが、それをぜずにあえてフラットに描いたストーリーラインに感じました。

ちなみにこの作品は、「猛射つ」という短編を大幅加筆・改稿した作品とのこと。自分は未読ですが、評価の高い短編のようです。



これ以降は、少しネタバレなのでご注意を…




どんでん返し的な展開もなく、「実はそうだった!」的な点と点が線になり明らかになる展開ではなく、湯川ストーリーライン・草薙/薫ストーリーライン・古芝ストーリーラインが最後に合流する感じで、個人的に " ハイライトの湯川学の覚悟 " に対して感情移入できませんでした…^^; すべてはこのシーンをどう感じるのかに掛かっている気がします。このシーンでビビっとくると凄く読み応えがあるのではないでしょうか。

もともとガリレオシリーズは勧善懲悪な作品ではないのですが、TVシリーズは原作とは違い勧善懲悪的な感じで、それ以降の作品は原作に " 薫 " も登場し、少し方向性や描き方が変わった気がします。極端に言うと、湯川先生自体の判断や行動は勧善懲悪ではないが、周りの社会は勧善懲悪でストーリーを終える的な。

今作「禁断の魔術」は、何か展開が起こる前にすべての要素が読者の前に用意されているストーリーな印象でミステリーとして読むと醍醐味に欠けるのではないでしょうか。湯川と古芝の子弟的な関係性と科学の二面性が主題になっているので、昔みたいに科学的な仕掛けがどうかとか、やる側やられる側の人間関係の真相がハイライトにはなっていないのです。

軽くエピローグ的なシーンも描かれていますが、個人的に古芝と由里奈とのエピローグ的な描写もあって良いのな~と感じる事も。

冒頭に書きましたが、あの帯の文言がこの作品のハードルかなり上げているように感じます。あの帯を読まずに今作を読んだらどんな感想になったのだろうかと思います。


東野圭吾さんの「禁断の魔術」を読み始め




禁断の魔術 (文春文庫)
文藝春秋
2015-06-10
東野 圭吾

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